【blog】Mindfulness Diet - ストレスからの過食を防ぐ「マインドフルダイエット」
BE HERE NOWマインドフルネスコーチ/リトリートオーガナイザーのSERIです。
「Live your authentic life - 自分らしくしなやかに強く生きる」をサポートしています。マインドフルネス、ウェルネス、セルフケアや「生き生きと働くマインド」について発信しています。
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ストレスで食べてしまう
今日少しショックな出来事がありました。
今フリーランスで働いていて、自分の時間もやる事も決断も全て自分で管理できるという「自由」が私の性格には合っているなと感じています。好きな事を仕事にできて、好きな事を毎日できて、自由な時間を持つことに幸せを感じています。
でもフリーランスは「自由」の隣り合わせで「未来への不安」がつきまといます。その不安にも段々と慣れてきた所ですが、久々にフリーランスあるあるのショックな出来事がありました。気がつくとスタバで生クリームたっぷりのココアをオーダーし、帰りにはパン屋さんに寄って制限していたパンを購入。家に買って無心でパンを食べてました。
ショックで感じた空虚感を食べて満たそうとしていたのだと思います。ストレスで甘いものを食べてしまう、過剰に食べてしまうって誰もが一度は経験していることですよね。
今回はストレスからの過食を防ぐ「マインドフルダイエット」について書きたいと思います。
1. 過食の原因「満たされない心」
先ほども書きましたが、私のようにストレスを感じた時、つい甘いものや好きなものに手が伸びてしまう事ありますよね。
これは「心の空腹感」によって起こります。
「空腹感」には2種類あります。
「身体的な空腹感」と「心理的な空腹感」
「身体的な空腹感」
本物の空腹感で、胃がほぼ空っぽになった時や血糖値が下がった時に実際に身体で起こっている本物の空腹感です。
「心理的な空腹感」
まだお腹の中にモノがあるのに食べたくなる嘘の空腹感です。私たちは「心」が満たされないと、お腹も満たされないように感じます。
どんな時に無意識に手が食べ物に伸びてしまいますか?
嫌な事があった時
寂しさや孤独を感じた時
空虚感を感じた時
イライラした時
退屈な時
やりたくない事をやらなきゃいけない時
お腹は減ってないのに物足りなさを感じ、満たされない感覚で食べ物に手を出してしまいます。心理学ではこれをエモーショナル・イーティング(感情の摂食)と呼びます。ストレスや満たされなさに蓋をするために、食べる事で感じる快楽を求めて過食してしまいます。
ストレスを感じると体内では、ストレスホルモンのコルチゾールが放出されます。コルチゾールが過剰放出されると、甘いものを無性に欲します。
食べ物を口にすると脳の快楽中枢が刺激されます。「気持ちよさ」を感じる場所です。食べ物に含まれる糖質が脳の腹側被蓋野を刺激し、そこと繋がる側坐核から快楽の源であるドーパミンという脳内物質が分泌され脳が幸せだと感じます。「食べること」は快楽と繋がっています。
食べる行為でなく、タバコ、お酒、ドラッグ、ショッピング、SNS、ゲームなども快楽成分ドーパミンを分泌します。どれも中毒性があります。
ちなみにマウスを使った実験で、コカインよりも砂糖の方が快楽をえる手段として選ばれたそうです。それぐらい砂糖には強い中毒性があるそうです。だから私たちは満たされない心を満たすために糖を欲してしまうんですね。
2. 自動操縦で食べる習慣に流される
企業で働いていた時、ランチの後に必ずチョコレートを食べていました。習慣で夕方には毎日のようにコンビニやスタバに行ってました。今はコンビニにはほぼ行かなくなりました。ただ習慣で行っていただけなんですよね。
ストレスによる過食だけでなく、習慣で食べてしまうことも多々あります。12時だからランチ取らないとお腹が空いていないのに食べたり、お腹はいっぱいだけど最後まで食べきってしまう事も。
食べる習慣や癖もありますよね。
仕事しながら「ながら食べ」
時間がないからと「駆け込み食べ」
次から次へとナッツを「無心食べ」
その他にも癖で「爆買い」や「ドカ食い」
私たちは普段の習慣で無意識に食べてしまいます。まさに「オートパイロット(自動操縦)状態」です。今目の前にある食べ物でなく、自動操縦に任せ、意識を過去のストレスのあった出来事や未来の不安な出来事の方に彷徨わせてしまいます。
人は1日に7万回思考していて、その内起きている時間の約50%意識が自動操縦状態で過去や未来を彷徨っています。これをマインドがワンダー(彷徨う)状態であるという表現で「マインドワンダリング」というのですが、これが脳のデフォルトモードになります。
食べている間も私たちのマインドは彷徨うマインドワンダリング状態です。
3. 食べたいという欲求に流される
食べる事=快楽です。
同じ快楽だと慣れてしまって、人はより強い快楽を求めようとする性質があります。これこそ〇〇中毒や〇〇依存ですよね。
私もパンを食べ続けていると、毎日食べないと納得いかなくなり、更に色々食べたくなってしまいます…笑。私はパン中毒です。
脳科学では強い欲求の事を「クレーヴィング(Craving)」と呼ぶらしいのですが、クレーヴィングが高まっている時には後帯状皮質という部分が活性化します。SNSの「いいね!」をもっと欲しがるのと同じ脳の性質だと聞いてとても納得感がありました。
欲求の波が強いと容易に飲まれてしまいますよね。
ここで登場するのがマインドフルネスです。
(Blog) 「振り回されないマインド」を養ってくれるマインドフルネス
You can’t stop the waves, but you can learn how to surf
- Jon Kabat-Zinn -
波を止めることはできないが、波に乗ることを学ぶことはできる
4. 欲望を受け入れコントロールするマインドフルネスダイエット
マインドフルネス=瞑想というイメージもありますがマインドフルネスはもっと広義です。
マインドフルネスとは「今この瞬間に、意識的に、評価せずに、注意を払う」という在り方です。「過去」でもなく「未来」でもなく「今この瞬間」に、無意識なオートパイロット状態でなく「意図的に」、そして思考の癖や思い込みで無意識に「評価判断せずに」俯瞰的に、今目の前で起きている現実にありのままに「注意を払う」ことを示します。
マインドフルネスで重要なのが3つのAです。
AWARENESS 気づく
ACCEPTANCE 受け入れる
ATTENTION 注意を向ける
無理矢理に欲求や衝動を抑えようとすると、その騒動は鬱積したり爆発してしまいます。食べたい欲求や衝動があることに気づき、自分と欲求や衝動は別物だと俯瞰的に捉え受け入れ、今目の前の食事に注意を向けます。
マインドフルな状態であることは、強い欲求により活性化される脳の後帯状皮質を活性するのを抑える効果があるそうです。マインドフルネスを心がけることで、無理矢理でなく自然と欲求や衝動を抑えることができます。
MINDFULNESS
今この瞬間に、意識的に、評価せずに、注意を払う
- Jon Kabat-Zinn -
5. マインドフルネスダイエットの実践
マインドフルネスダイエットは、このマインドフルな状態を食でも実践する事です。何に意識を目向けるかというと様々です。私が実際に取り組んでいるマインドフルネスダイエットを紹介します。
空腹のレベル感CHECK
(「体の空腹感」と「心の空腹感」)▶︎ 空腹感は本物か?心の空虚感からきてないか?
体の状態CHECK
▶︎ 体は何をどれくらいの量求めているのか?これをこの量食べた後に体が重く感じパフォーマンスが落ちないか?食べる前のPAUSING
「いただきます」と言いながら一呼吸入れ立ち止まる
食べ方CHECK
▶︎五感で丁寧に1つ1つを味わう事を意識する
食べ方に関しては「食べる瞑想」をご覧ください。
食べる瞑想は、Mindful EatingやEating Meditationとも言われる今に意識を置きながら食べる食べ方で「心」を満たすことができます。レーズンで簡単に体験できます。
(blog) 今に意識を向ける「食べる瞑想」で心を満たす食べ方を
食前・食べている最中・食後の3回のタイミングでマインドフルに自分の体の感覚に丁寧に意識を向けてみてください。私は最近ピラティスを毎日やるのが日課になっているのですが、食べたものや食べた量で自分の体の重さや動きが全然違うのを実感しています。これは体だけでなく脳の動きも一緒です。
CHIKO POINTS
満たされない心を満たすために食べていないか?
習慣で食べ物に手を伸ばしていないか?
欲求の衝動に流されていないか?
「ながら食べ」「駆け込み食べ」「無心食べ」をしていないか?
「呼吸」が一番のマインドフルネスツール
マインドフルネスのプラクティスで一番手軽で効果的なのが「呼吸」です。食べる前に一度目を閉じて、ゆっくりと大きく吸って、ゆっくり大きく吐くという深呼吸を2-3回すると自分の意識を過去や未来から今に持ってくることができます。MBSRでも呼吸は今に繋ぐアンカーだと説明されていました。
日本にはとてもマインドフルダイエットに最適な文化があります。食べる前に「いただきます」というタイミングで今に意識を戻す呼吸も加えてみてください。
Happiness is giving and letting it go.
幸せをもたらすのは、「与えること」と「囚われを手放すこと」
- Quote -
6. マインドフルネスのダイエット効果
いくつになっても脳は学習し進化します。脳の「可塑性」があり、 繰り返し練習したり、新たな働きかけをすることで、新たなネットワークを築き、生まれ変わることができます。
私は去年ヴィパッサナー瞑想に参加してから、お家ベジタリアンの生活をしています。外食でもお肉もお魚も食べているので完全なベジタリアンではないです。これも可塑性なのかなと思うのですが、お家でお肉を食べたいという衝動がなくなりました。以前は食事には肉か魚がないとと思っていいたのですが、新たなネットワークが築かれ衝動がなくなったようです。
私も参考にしている「脳科学ダイエット」の本でもたくさんの研究が紹介されていました。86%の科学的研究でマインドフルネスが食行動の改善効果があると実証されたそうです。
7-8週間のマインドフルネスを継続したことでストレス食いなどが減った
肥満の人の甘いものの摂取量が減り、血糖値が低下した
マインドフルネスの実践でBMI4%、体重2kg減少した
マインドフルネスで3年間に渡り体重が維持された
詳しくは本をご覧ください。
ストーリー仕立てでとても分かりやすいです。久賀谷亮先生の本はとても大好きでほとんどの本を読んでいます。おすすめです。
食事で本当の幸福感を得るには、欲望や衝動などを手放し、今目の前にある食事に感謝し五感で丁寧に味わうことです。心を満たす食べ方です。
無理なくやせる“脳科学ダイエット" 久賀谷 亮 (著)
7. まとめ
食事・睡眠・運動は私たちにとってはなくてはならないものです。健康の要とも言えます。We are what we eat (私たちは食べたものでできている)と言われるように健康に直接関係があります。そして食事は「快楽」とも繋がっています。
無意識なオートパイロット状態で「ながら食べ」「駆け込み食べ」「無心食べ」してしまうのはもったいないですよね。食べる事ともっと良好な関係性を作れたら、体の状態も、心の状態も、そして脳の状態も良くなるかもしれません。
先にも書きましたが、ピラティスをして自分の体や心の状態を確認し、仕事をしながら自分の集中力や創造力などのパフォーマンス状態を確認していると、食事・睡眠・運動が大きく影響しているなと実感しています。自分に与える影響も気づけると良いですよね。その面でもマインドフルネスは自分への気づきを高めてくれる効果があります。特にBody Scanは体の感覚の感度をあげるのに最適です。Body Scanが食事量の調整に効果があったという研究もあったそうです。
ストレスを感じない人はいないと思います。でもストレスを感じた時に食べる以外の心を満たす方法をもてたらいいですよね。自分の心を満たす方法があれば、これが過食を防ぐ一番の解決ではないかなと思います。
私は今「読書」が過食を防ぐ方法になっています!
Live your authentic life!